日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
発症半年後に再出血をきたした,発症機転の不明な左腎被膜下血腫の1例
樋口 徹茂原 淳高橋 徹竹吉 泉
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2012 年 32 巻 3 号 p. 719-722

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抄録
症例は44歳男性。歩行者と乗用車の接触事故の運転手として取調べ中に顔色不良,腰背部痛が出現し,当院救急外来に搬送された。血液検査で貧血と腎機能低下を認め,単純CTで左腎被膜下血腫と後腹膜血腫を認めた。カテーテル塞栓術を計画して行った造影CTで,DeBakeyIIIb型大動脈解離が発見された。輸血と補液により循環動態が安定し,左腎被膜下血腫は経過観察可能と判断され,保存的治療目的で入院した。経過中のCTで左腎被膜下血腫の増大や大動脈解離の進展はなかった。腎機能低下は残存したが第42病日に退院した。発症半年後に再出血をきたし,左腎が著明に圧排されていたため左腎摘出術を行った。被膜下血腫の原因を検討したが,明らかな外傷や,腎疾患,血液疾患の既往はなく,内服歴もなかった。大動脈解離は慢性経過したもので原因とは考えられず,摘出腎の病理学的検査からも原因は不明であった。
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© 2012 日本腹部救急医学会
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