2026 年 7 巻 1 号 p. 10-15
わが国において, フットケアの重要性は徐々に認識されつつあるものの, 下肢の血流評価を含めた包括的なケアの実践は, 現場レベルではまだ十分に浸透していないのが現状である. 特に, 末梢動脈疾患 (PAD) は透析患者に高頻度に合併し, 中でも下肢への発症が多く, かつ無症候で進行することが多いため, 発見が遅れるケースが少なくない. 結果として, 包括的高度慢性下肢虚血 (CLTI) へと進行し, 救肢困難な状態に至ることもある.
本稿では, 血管診療技師 (clinical vascular technologist : CVT) 看護師 (CVT-Ns) としての視点から, CLTIを呈する透析患者への下肢血流評価を含めたフットケアの実践と, その意義について報告する. 筆者が勤務する透析クリニックでは, VA (シャント) 評価に加え, 下肢の動脈病変にも着目し, 非侵襲的検査と視診・触診・問診を統合した観察により, 看護の質を高めてきた. CVT-Nsは, 血流という “命の通り道” を双方向的に捉え, 疾患の徴候を早期に察知し, 必要な医療介入へとつなぐ「見守る力」と「つなぐ力」を兼ね備えた存在である.
本稿を通じて, CVTを目指す看護師はもちろん, CVTという資格の存在を初めて知った看護師にも, 「私も踏み出してみたい」と感じていただけるような契機となることを願ってやまない.