日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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原著
下部消化管憩室出血に対するMDCTの有用性の検討
井上 明星古川 顕金崎 周造園田 明永河野 直明大田 信一田中 豊彦村田 喜代史井本 勝治山崎 道夫坂本 力
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キーワード: 憩室出血, 消化管出血
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2012 年 32 巻 4 号 p. 737-742

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抄録
【目的】下部消化管憩室出血に対するMDCTの診断能を検討する。【方法】3人の放射線科医が下部消化管憩室出血と最終診断された12例のMDCT(multi detector-row CT)所見を検討し,血圧,輸血,治療法,出血部位の最終診断とおのおのの画像所見を対比した。【結果】造影剤の血管外漏出像(以下,extravasation)は7例に認められ,そのうち5例で血管造影でも同部位にextravasationが認められ塞栓術が施行された。内腔の異常,すなわちバブルを含む高濃度,液体貯留,凝血塊はそれぞれ5例,8例,4例に認められた。Extravasationは,濃厚赤血球輸血が行われた6例中4例に確認され,また,extravasationが認められた7例中3例は収縮期血圧が95mmHg以下であった。【結語】Extravasationは出血部位を特定する極めて特異性の高い所見であり,血圧低下や輸血を必要とする症例に高頻度に認められた。また,MDCTからは治療戦略に必要な情報が得られた。MDCTは憩室出血の診断に有用であり,下部消化管出血症例に対して積極的に用いられるべきである。
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© 2012 日本腹部救急医学会
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