日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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特集:急性虫垂炎の治療方針の変遷と現状
Interval appendectomyを基本方針とする急性虫垂炎の治療
福長 徹飯野 正敏木村 正幸菅本 祐司成島 一夫武藤 頼彦花岡 俊晴細田 利史後藤 俊平松原 久裕
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2012 年 32 巻 4 号 p. 775-779

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抄録
当科では急性虫垂炎に対し,保存的治療後の腹腔鏡下interval appendectomy(IA)を基本方針としている。急性虫垂炎と診断された405症例のうち,ASA─PS class4と判断された3例と,患者希望等で急性期手術を選択した34例を除く368例に保存的治療を行い,全例が奏効軽快した。IAには急性期手術に比べ,(1)拡大・不要手術が避けられる,(2)手術合併症が減る,(3)待機中に悪性疾患などのチェックが可能─などの利点がある。術式変更がない,合併症がない,術後在院期間が4日以内という3つの条件でアウトカムを検討すると,急性期手術では29例中11例37.9%でアウトカム不良だったが,IAでは145例中5例3.4%のみだった。初回MDCTで膿瘍形成例では,急性期手術群10例中7例がアウトカム不良例であったが,IA群では32例中5例(15.6%)のみであった。一方,蜂窩織炎であれば急性期手術群でもアウトカム不良は14例中1例のみで,認容範囲であった。IAは合併症の少ない,安全確実な優れた治療法であるため,急性期虫垂切除の適応は限定されるべきと考えている。
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© 2012 日本腹部救急医学会
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