抄録
当科では急性虫垂炎に対し,保存的治療後の腹腔鏡下interval appendectomy(IA)を基本方針としている。急性虫垂炎と診断された405症例のうち,ASA─PS class4と判断された3例と,患者希望等で急性期手術を選択した34例を除く368例に保存的治療を行い,全例が奏効軽快した。IAには急性期手術に比べ,(1)拡大・不要手術が避けられる,(2)手術合併症が減る,(3)待機中に悪性疾患などのチェックが可能─などの利点がある。術式変更がない,合併症がない,術後在院期間が4日以内という3つの条件でアウトカムを検討すると,急性期手術では29例中11例37.9%でアウトカム不良だったが,IAでは145例中5例3.4%のみだった。初回MDCTで膿瘍形成例では,急性期手術群10例中7例がアウトカム不良例であったが,IA群では32例中5例(15.6%)のみであった。一方,蜂窩織炎であれば急性期手術群でもアウトカム不良は14例中1例のみで,認容範囲であった。IAは合併症の少ない,安全確実な優れた治療法であるため,急性期虫垂切除の適応は限定されるべきと考えている。