抄録
症例は78歳,女性。下腹部痛を主訴に当院へ紹介された。腹部単純X線写真にてイレウスと診断,イレウス管を挿入するも,改善せず,手術を施行した。虫垂切除時の開腹創部直下に形成された索状物が,小腸を絞扼していた。索状物を切離した後,イレウス管先端を小腸絞扼部付近まで用手的に誘導した。術後2日目にはイレウス管を抜去,4日目より経口摂取を開始したが,術後7日目より嘔気・嘔吐認め,術後10日目に,イレウス管を再挿入した。腹部CT検査では内部に同心円状の層状構造を呈するSOLを認めた。腸重積症の診断にて,再手術を行った。Treitz靭帯から約5cm肛門側で約10cmにわたって腸重積を認めた。Hutchinson手技により,整復することができた。成人の術後小腸重積症の報告は国内においても散見される。若干の文献的考察を加えて報告する。