抄録
【目的】本邦ではまれなサルモネラ脾膿瘍に対し,経皮的ドレナージ術が有効であった1例を経験したので報告する。【症例】60歳男性。1週間前より発熱を認め,近医で抗菌薬を処方されるも改善なく,意識障害,ショック状態で救急搬送された。血液培養よりサルモネラが検出され,来院時腹部CTで脾内に低吸収域を認めたが,超音波検査では脾嚢胞が疑われた。抗菌薬で解熱せず,第16病日の超音波検査で脾嚢胞疑い部は内部不均一の占拠性病変に変化していったことより脾膿瘍と診断した。第17病日CTガイド下経皮的ドレナージを施行した。左胸水貯留により胸腔ドレーン留置を必要としたが,速やかに解熱し,炎症反応も改善した。定期的なCT検査で膿瘍の縮小を確認しながら,53病日膿瘍腔ドレーンを抜去し,62病日退院となった。【結語】サルモネラ脾膿瘍は診断に苦慮することもあるが,その治療として経皮的ドレナージ術が有用であった。