抄録
症例は30歳,女性。右下腹痛を主訴に当院に搬送された。経腟超音波,腹部CT,骨盤MRIにて両側卵管留水腫を認めたが,腹部所見では右下腹部に軽度圧痛を認めるのみで腹膜刺激症状はなかった。同日入院,抗菌薬による保存的治療を開始した。しかし,効果に乏しく,腹部症状および血液学的炎症反応が次第に増悪してきたため,第3病日に試験開腹術となった。開腹所見にて両側卵管水腫,右卵管捻転が認められたが,両側卵巣は正常であった。右卵管切除術,左卵管開口術および両側卵管周囲癒着剥離術を施行した。孤立性の卵管捻転による急性腹症は非常にまれではあるが,女性の急性腹症の原因の一つとして念頭に置く必要がある。