抄録
大腸癌穿孔の臨床病理学的特徴について非穿孔例と比較し,その治療方針を検討した。穿孔例(15例)は他臓器浸潤例,高度静脈侵襲(v3)例の割合が非穿孔例に比べて有意に高率で,stageIV症例が多い傾向にあった。穿孔部位は癌部7例,癌口側7例,肛門側1例であった。根治度A手術は9例で施行されたが(一期切除5例,二期切除4例),二期手術では一期切除に比べて手術時間は長く,出血量は多かった。stageIIの1例(25%)とIIIaの3例(100%)で再発を認め,穿孔に伴う腫瘍細胞の散布に関係する腹膜播種や皮下再発を4例に認めたが,根治度B手術後に再発した1例を含む4例で血行性またはリンパ行性の再発を認めた。根治度A症例のうち非再発例の郭清リンパ節数は平均19.8個で再発例の6.3個に比べて多い傾向にあり,全身状態が許す限り,積極的な一期的切除と十分なリンパ節郭清が血行性,リンパ行性再発を予防し,予後改善に寄与することが期待された。