抄録
【目的】当科では以前より急性腹症に対する腹腔鏡手術の適応除外基準を設け,積極的に腹腔鏡手術を施行している。今回,急性腹症を呈した小腸疾患に対する腹腔鏡手術の有用性につき報告する。【対象】2008年10月から2012年1月までに急性腹症を呈し外科的処置を要した小腸疾患23例に対し,診断,手術術式,合併症などについて検討した。【結果】手術時に腹腔鏡下にて確定診断を得た症例は16例であった。外科的処置に関し,完全腹腔鏡手術7例,腹腔鏡補助下手術10例,開腹移行手術6例であり,開腹移行の原因は腸管拡張や癒着による視野不良が多くを占めた。術後合併症を4例に認めたが,腹腔鏡手術に関連するものは認めなかった。【結語】急性腹症を呈した小腸疾患に対する腹腔鏡手術は適応除外基準を用いることにより責任病変の同定に有用であり,外科的処置においても低侵襲かつ安全に施行し得ていた。