2013 年 33 巻 3 号 p. 573-578
現在,Tokyo guidelines(TG07):急性胆管炎,胆嚢炎診断基準は,国際的な標準として普及している。しかし,TG07改訂委員会によって多施設症例集積研究による実地臨床の検証が行われた結果,いくつかの問題点が確認された。急性胆管炎診断基準は,life─threateningな疾患の診断基準としては十分な診断能はなく,これには不適切な診断項目の組み合わせが原因と考えられた。その結果,臨床徴候もしくは血液検査によって炎症と胆汁うっ滞,そして画像所見によって胆管病変の3つを確認して診断するものに修正された。急性胆嚢炎診断基準は,良好な診断能を有することが確認されたが,確診の定義が曖昧で不適切と考えられた。その結果,臨床徴候と血液検査の所見によって急性胆嚢炎を疑い,画像診断で確認するという診断基準に改訂された。改訂された新しい診断基準は,より良好な診断能を有し実地臨床での使用に適したものになった。