抄録
要旨:【目的】大腸癌イレウスに対する治療選択と手術成績から治療戦略を検討する。【対象と方法】対象は2000年~2011年に経験した大腸癌827例のうちイレウスで絶食・TPN管理が必要となった108例。(1)背景因子と手術成績を腫瘍部位別に比較検討する。(2)T4直腸癌に対する治療成績を検討する。【結果】(1)腫瘍径は平均6.8cmで,壁深達はT3が79例,T4が25例。腹膜炎は9例で,緊急手術は33例。経鼻的減圧は右側結腸に多く,経肛門的減圧は直腸に多かった。一期吻合は右側91%,左側83%,直腸38%で施行。(2)術前化学療法の2期的根治術が直腸の21%で選択され,膀胱などの機能温存が可能であった。【結論】右側は一期吻合が可能で,左側や直腸では経肛門的減圧後の一期吻合を計画し,減圧不能の場合は吻合+予防的ストーマを検討する。T4大腸癌では術前化学療法後の2期手術も考慮される。