日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
Upside down stomachを呈した巨大食道裂孔ヘルニアの1例
福田 直人仁木 径雄佐野 允哉小倉 礼那和田 浄史
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2013 年 33 巻 8 号 p. 1335-1339

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抄録

症例は79歳,女性。頻回の嘔気,嘔吐症状を主訴に当院緊急外来受診。腹部CT検査にてupside down stomach型の巨大食道裂孔ヘルニアと診断し,緊急入院となった。胃内視鏡検査ではグレードDのGERDを認めた。当初,保存的治療を行った後に食道裂孔ヘルニア修復術+Nissen噴門形成術を施行した。食道裂孔部は4×3cm大に開大していたため,メッシュを用いて閉鎖した。また胃底部横隔膜下縫合法による胃固定術も附加した。術後経過は順調で15日目に軽快退院となった。術後6ヵ月以上経過した現在,再発なく経過順調である。Upside down stomach型食道裂孔ヘルニアは比較的まれな疾患であるが,急性例では重篤な病態になり得る。早期診断と再発率の少ない確実な手術手技が必要であると考えられた。

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© 2013, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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