日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
回腸導管造設後に高クロール性代謝性アシドーシスを呈した単純性イレウスの1例
山口 圭三, 辻本 広紀, 平木 修一, 高畑 りさ, 小野 聡, 山本 順司, 長谷 和生
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 34 巻 4 号 p. 823-826

詳細
抄録
症例は69歳,男性。持続する腹痛,嘔気を主訴に近医を受診し,腸閉塞の診断で当院に搬送された。既往歴として15年前に直腸癌に対して骨盤内臓全摘術,回腸導管造設,6年前に食道癌に対して開胸・開腹食道切除術を受けた。入院時,腹部は平坦・軟で腹膜刺激症状を認めず,血液ガス分析ではpH 7.175,Base Excess -17.9mmol/L,Cl 114mEq/Lと高クロール性代謝性アシドーシスを認めた。Anion gapは12.6mEq/Lと正常であった。腹部造影CT検査では血流障害は否定的であり,イレウス管挿入と輸液による保存的治療を行った。翌日には腹部症状が軽快し,4病日にイレウス管抜去,5病日に経口摂取を開始し,代謝性アシドーシスも改善したため11病日に退院となった。回腸導管術後には腸管虚血に起因しない代謝性アシドーシスを呈する場合があり,注意を要する。
著者関連情報
© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top