抄録
乳幼児腸重積症は大部分が特発性であり原因となる病変部が存在することはまれである。今回われわれは回腸異所性膵を先進部とする乳児腸重積症を経験したので報告する。症例は8ヵ月の男児。嘔吐が続くため当院小児科に入院となった。その後腹部膨満が著明となり,腹部超音波にてtarget signを認め,腸重積症が疑われた。注腸造影,腹部単純CTを施行し,回腸─回腸型の腸重積症と診断。高圧浣腸を試みたが,整復は不能であったため,同日緊急手術を施行した。開腹すると回腸─回腸型の腸重積を認め,Hutchinson手技にて整復すると重積先進部に10mm大の腫瘤を触知したため小腸部分切除術を施行した。病理組織学的にHeinrichⅡ型の異所性膵と診断された。高圧浣腸で整復されない腸重積症の場合,本症例のように原因となるような病変が存在する可能性を念頭に置き診療することが肝要である。