日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
外傷性門脈損傷に対し門脈結紮術を施行し救命した1例
根岸 宏行湊 栄治嶋田 久岸 龍一嶋田 仁野田 顕義大島 隆一片山 真史小林 慎二郎櫻井 丈小泉 哲大坪 毅人
著者情報
キーワード: 門脈損傷, 結紮術
ジャーナル フリー

2015 年 35 巻 3 号 p. 299-302

詳細
抄録
症例は64歳,女性。軽自動車運転中の単独事故で腹部を打撲し,当院救急搬送となった。腹部造影CTで膵頭部領域に血腫および造影剤の血管外漏出を認め,shock vitalであったため緊急手術を施行した。開腹すると多量の血性腹水を認めた。十二指腸および上行結腸を授動すると十二指腸水平脚周囲に血腫を認めた。膵下縁で大量の出血を認めており,門脈本幹に裂傷が認められた。この門脈裂傷を縫合閉鎖したが,門脈が狭小化してしまい門脈血流の維持は困難と考えられたため,門脈を結紮切離した。術後経過は良好で,術後第36病日目に退院となった。腹部外傷における門脈損傷はまれであるが,高い死亡率が報告されており,死亡率を低下させるため,早期に出血コントロールすることの重要性が述べられている。今回われわれは外傷性門脈損傷に対し,門脈結紮術を施行することで早期に出血をコントロールし,救命した1例を経験したので報告する。
著者関連情報
© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top