日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
原著
筋鈎を用いた腹壁全層吊り上げ法による単孔式腹腔鏡下虫垂切除術
進藤 吉明上野 知尭石塚 純平横山 直弘齋藤 由理田中 雄一
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 35 巻 4 号 p. 373-376

詳細
抄録
近年,単孔式腹腔鏡下手術は多くの施設で気腹法により施行され,専用ポートや屈曲鉗子など高価な手術器具も必要とされる。われわれは開腹用のリトラクターに筋鈎を装着し,臍部の小開腹創から腹壁全層を吊り上げ,気腹せずに単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を行っている。5mm径の30度斜視鏡と2~4本程度の鉗子で手術を行う。開腹用の手術器具や,吸引や洗浄,通常のガーゼの使用が可能である。2010年4月から2012年5月に急性虫垂炎症例に対して45例に本法による虫垂切除術を施行した。同時期に施行された3孔気腹式腹腔鏡下虫垂切除術72例と比較しても出血量,手術時間,術後入院日数,に有意差はなく,術中偶発症は認めなかった。どちらとも術後に創感染を1例認めたが,保存的治療により改善した。本法は3孔気腹式手術に比較して出血量,手術時間,術後入院日数に差はなくコストが安いなどの多くの利点を有する術式と考えられた。
著者関連情報
© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top