日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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ISSN-L : 1340-2242
原著
当院で経験したボタン電池誤飲症例の検討
渡邉 佳子韮澤 融司浮山 越史鮫島 由友佐藤 順一朗廣部 誠一小森 広嗣下島 直樹
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2015 年 35 巻 5 号 p. 537-542

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抄録

2007年1月~2014年5月までに当院で経験したボタン型電池誤飲症例は18例で,そのうちリチウム電池誤飲症例は2例であった。いずれも,縦隔炎,食道気管瘻などの重篤な合併症を認めた。コイン型リチウム電池は直径が大きいため食道に停滞しやすく,起電力が高いため通電による組織障害を短時間で起こしやすいなどの小児にとって危険な特性がある。可能な限り早期の除去と除去後の内視鏡を含めた慎重な経過観察が必要である。またその危険性について社会への啓発が重要である。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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