抄録
今回われわれはShock Index(以下,SI)が,腹部大動脈ステントグラフト(以下,rEVAR)後の腹部コンパートメント症候群(以下,ACS)の危険予測,強いては予後予測に役立つかどうかを検討した。2012年4月より2015年3月の間,33例の破裂性腹部大動脈瘤(以下,rAAA)に対しrEVARによる治療を行った。全例においてステントグラフトは手技的成功を収めたが,死亡退院は8例(手術関連死6例,在院死2例)であった。麻酔開始直前の心拍数と収縮期血圧からSIを算出した。SIは,ACS未発症例で,1.02±0.08であったのに対し,ACS発症例は1.66±0.12で有意に高値となっていた。一方,生存例で1.08±0.09であったのに対し,死亡例は1.57±0.20とACS同様有意に高値となっていた。SIはrEVARにおいても有意な指標になり得ると思われる。