抄録
症例は8歳,男児。腹痛と嘔吐を主訴に救急外来を受診した。急性腸炎の診断にて経過観察となったが翌日症状が増悪したため当科紹介となった。腹部は膨隆しており下腹部中心に圧痛を認め,筋性防御,反跳痛を伴っていた。腹部CTで他の腸管との連続性がない長径5,5cmの鏡面像を形成する囊状影を認めた。術前診断は困難であったが,臨床所見より汎発性腹膜炎を疑い緊急手術を施行した。回盲弁より口側80cmの部位に捻転により壊死に陥った10×2.5cmの憩室を認めた。この憩室は頸部を軸として反時計方向に180度捻転していた。憩室を含めた小腸楔状切除を行った。病理組織学的には真性憩室であり,Meckel憩室に矛盾しなかった。Meckel憩室茎捻転はまれな疾患である。本邦では小児発症例は11例の報告があるのみであり,術前診断が困難と考えられているが,小児の急性腹症の鑑別として念頭におくことが重要と考える。