日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
魚骨による十二指腸Treitz靭帯部穿孔の1例
松井 博紀宇根 良衛寺崎 康展中川 智徳長渕 英介佐藤 裕二
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2016 年 36 巻 4 号 p. 753-756

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抄録

79歳,女性。鮭を摂取した2日後心窩部痛をきたし,4日目に救急車で来院した。血液検査上炎症反応高値で,CT検査にて上腹部に線状の高信号域がみられ,魚骨による穿孔性腹膜炎と診断し,緊急開腹手術を施行した。Treitz靭帯付近の十二指腸に白苔が付着しており,腹水もみられた。十二指腸を口側に剥離し,長さ約3cmの鮭骨を摘出,穿孔部を縫合閉鎖した。術後経過は良好であった。われわれが渉猟した最近の魚骨による十二指腸穿孔症例に自験例を加えた6例中5例では開腹手術が施行され,良好な経過をとっているが,診断と魚骨除去が遅れると肝または膵臓への穿通など重篤な合併症をきたす可能性があったと思われる。魚骨による十二指腸Treitz靭帯部の穿孔は比較的まれであり,術前診断にはMDCTによる迅速な画像診断が有用である。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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