日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
絞扼性小腸閉塞によりCongestive Radiculopathyをきたしたと考えられる1例
今井 勇伍井上 明星大田 信一高木 海中川 達也友澤 裕樹渡辺 尚武新田 哲久村田 喜代史貝田 佐知子山口 剛山本 寛谷 眞至
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2016 年 36 巻 4 号 p. 807-811

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抄録

症例は89歳,男性。7ヵ月前に胃癌に対して胃全摘術を施行され,再発なく経過していた。経過観察のため定期受診でCTを撮影した翌日に,腹痛と強い背部痛を訴え救急外来を受診。造影CTで,絞扼性小腸閉塞と拡張腸管による下大静脈閉塞,および脊柱管内の静脈である前内椎骨静脈叢の拡張を認めた。これらの所見は前日に撮影されたCTでは認めなかった。絞扼性小腸閉塞に対して緊急開腹手術を施行され,術後には腹痛,背部痛の訴えは消失した。術後9日目の造影CTで下大静脈の閉塞と前内椎骨静脈叢の拡張はともに消失しており,術後36日目に退院となった。腹痛は絞扼性小腸閉塞が原因と考えられたが,強い背部痛は下大静脈閉塞により拡張した前内椎骨静脈叢による脊髄および神経根の圧迫が原因と考えられた。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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