日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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症例報告
大量下血で発症しダブルバルーン内視鏡検査が有用であった微小小腸平滑筋腫の1例
北山 紀州渋谷 雅常前田 清永原 央大谷 博大平 雅一平川 弘聖
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2016 年 36 巻 6 号 p. 1081-1084

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抄録

症例は41歳女性。大量下血を主訴に近医を受診し,上部・下部消化管内視鏡検査,腹部CT検査を施行するも出血源を同定しえず,下血が継続するために精査加療目的に当院へ転院となった。小腸出血を疑い,ダブルバルーン内視鏡検査を施行したところ,回腸中部に露出血管を伴う微小な粘膜下腫瘍を認め,点墨ののち腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した。病理組織学的検査の結果,小腸平滑筋腫と診断された。小腸出血の術前診断は困難とされてきたが,近年ダブルバルーン内視鏡やカプセル内視鏡の普及により術前診断しえた報告が散見されるようになってきた。今回われわれは,ダブルバルーン内視鏡検査により出血源を同定し,腹腔鏡手術を施行した小腸平滑筋腫の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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