2017 年 37 巻 5 号 p. 717-722
遺伝子組み換え型ヒト可溶性トロンボモジュリン(以下,rhTM)は播種性血管内凝固症候群(以下,DIC)治療のkey drugとして注目されているが,現時点では死亡率の改善を示すエビデンスは存在しない。われわれは敗血症性DIC症例を,rhTM投与36例(rhTM群)と非投与34例(non―rhTM群)で後方視的に比較検討した。背景因子,SIRSスコア,SOFAスコア,DICスコア,凝固能の推移,DIC離脱率とDIC離脱日数,生存率について検討した。治療開始時の背景因子と各スコアには有意差はなく,7日目のDICスコア,血小板数,FDP値では両群間に有意差を認めた(P<0.001,P=0.035,P=0.013)。DIC離脱日数はrhTM群で有意に短期間であったが,離脱率と生存率には有意差は認めなかった。rhTMは敗血症性DIC治療において,DIC罹患期間の短縮に寄与することが示唆された。