日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
十二指腸潰瘍穿孔に似た外傷性直腸穿孔:伏せられた受傷機転
水村 直人奥村 哲豊田 翔小川 雅生川崎 誠康
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2018 年 38 巻 4 号 p. 783-785

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抄録

経肛門異物では患者から正確な情報が得られない場合がある。十二指腸潰瘍の既往がある50歳代の男性が,食後からの心窩部痛で救急搬送された。CT検査では十二指腸周囲に遊離ガスと大量腹水を認めた。十二指腸潰瘍穿孔と初期診断したが,直腸診での鮮血,高い腹水CT値より外傷性下部消化管穿孔の可能性を考えた。最終的にプライバシーに配慮した問診を行い,肛門から同性パートナーの前腕を挿入したことが判明した。開腹所見では,直腸Rsが穿孔,S状結腸に漿膜筋層断裂を認め,ハルトマン手術を施行した。本症例は十二指腸潰瘍穿孔に極めて類似していたが,伏せられた受傷機転が穿孔部位の術前診断に重要であった。

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© 2018, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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