日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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原著
保存的加療を選択した上部消化管穿孔に対する早期食事開始の検討
橘高 弘忠亥野 春香秋元 寛
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2019 年 39 巻 1 号 p. 023-027

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抄録

当施設では保存的加療を選択した上部消化管穿孔症例に対して,第4病日の時点で,①腹膜刺激症状が消失し,②発熱がなく,③初診時と比較して白血球数が上昇傾向になければ,同日から早期に食事を開始するパスを運用している。今回,保存的加療を行った上部消化管穿孔28例を検証し,早期食事開始の妥当性について検証した。食事開始時期(中央値)は第4病日でパス通り第4病日に食事開始できたのは75%(21例)を占めた。2例が手術移行となった(保存的治療完遂率92.9%)が,食事開始後の移行は1例のみであった。腹腔内膿瘍は2例(7.1%)に認めたが,いずれも抗菌薬投与と経皮的ドレナージ術で治癒した。在院日数は8(7〜11)日と過去の報告よりも短く,死亡症例はなかった。腹部症状が改善し,初診時より白血球数の上昇がない症例においては,第4病日からの食事開始が在院日数の短縮化につながる可能性が示唆された。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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