2019 年 39 巻 3 号 p. 591-594
症例は78歳,男性。全結腸型の大腸憩室と診断されており,2年前から憩室出血を3回(上行結腸2回,S状結腸1回)繰り返していたが保存的治療を行っていた。再度下血を主訴に受診されS状結腸憩室出血と診断,入院となった。今回も保存的治療で自然止血を得ることができ18日目に退院となったが,2週間後にS状結腸憩室出血が再発したため手術適応と考えられた。上行結腸憩室からも出血の既往を有する全結腸型憩室症例であることから大腸亜全摘が必要と判断した。広範囲切除後の排便習慣の変化を軽減する目的で回盲部を温存した結腸亜全摘術を行い,術後良好な結果を得た。全結腸型大腸憩室はまれであるが出血や炎症が生じ難治性であれば,手術適応と判断され,症例によって大腸亜全摘術が選択される。術後排便習慣の変化の観点から回盲部温存を伴う結腸亜全摘術は有用である可能性が考えられた。