2019 年 39 巻 4 号 p. 747-749
症例は69歳男性。2年前に当院で早期胃癌に対して腹腔鏡下胃切除術,R–Y再建(結腸後経路)を施行し無再発経過観察中であった。腹痛で受診し,造影CTで挙上空腸と輸入脚の拡張を認めた。内ヘルニアによる腸閉塞を考慮したが造影不良域はなかったので,イレウス管を留置した。造影剤は結腸まで流れ排便もみられたが,第3病日のCTで輸入脚が減圧されていなかったため手術治療へ移行した。腹腔内の癒着はほとんどみられず,前回手術で挙上空腸と固定したはずの横行結腸間膜間隙から輸入脚を含めた大半の口側小腸が頭側に脱出し,さらにY脚吻合部背側の腸間膜間隙に肛門側の小腸が,ループ状に陥入していた。それぞれの内ヘルニアを解除して元の形に戻した。血流不全はなく全小腸を温存した。間膜間隙の閉鎖と挙上空腸の再固定を施行した。術後経過は良好で再発は認めていない。