2019 年 39 巻 4 号 p. 751-754
症例は8歳女児。坂道を下って走っているときに前方に転倒し,左肩から斜めにぶら下げていた水筒で腹部を打撲した。直後から腹痛が出現し,頻回の嘔吐がみられたため当院に救急搬送となった。腹部造影CT検査で十二指腸壁の浮腫と十二指腸周囲に腹腔内遊離ガス像を認め,上部消化管穿孔が疑われたため外科紹介となった。同日緊急試験開腹術を行った。十二指腸下行脚に直径3cm大の穿孔部を認め,外傷性十二指腸損傷Ⅱa型(日本外傷学会消化管損傷分類2008)と診断した。他の臓器損傷は認めず,穿孔部を単純閉鎖した。合併症は認めず,術後26日目に退院となった。小児においては水筒による腹部打撲が要因で十二指腸損傷が起こりうるため注意を要する。