日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
子宮筋腫の鼠径ヘルニア嵌頓が誘因と考えられた鼠径管膿瘍の1例
江本 慎千田 圭吾谷 道夫河合 朋昭小林 清二小笠原 和宏
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2019 年 39 巻 4 号 p. 787-791

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抄録

84歳女性。左鼠径部の膨隆および疼痛を主訴に前医を受診し,左鼠径ヘルニアの嵌頓と診断され,当科を紹介された。来院時,左鼠径部に発赤と圧痛を伴う膨隆を認めた。CTで左鼠径部に腹腔と連続して気泡を伴う液体貯留を認め,鼠径ヘルニアの消化管嵌頓・壊死に伴う鼠径管膿瘍と診断し,同日手術を施行した。下腹部正中切開で開腹すると,子宮筋腫が左鼠径部に嵌頓していた。剝離すると内部から膿汁の流出を認めた。鼠径部皮膚側から膿瘍に切開を加え鼠径管を観察したが,炎症により正常構造は同定できなかった。皮膚切開は開放のままとし,膿瘍の腹膜側を縫合して膿瘍腔が体外にのみ開放される形にして手術を終了した。今回われわれは,子宮筋腫の嵌頓が誘因と考えられたまれな鼠径管膿瘍を経験したので報告する。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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