2019 年 39 巻 4 号 p. 793-796
開腹歴のない腸閉塞の原因として重要なものに内ヘルニアがある。その中でも傍下行結腸窩ヘルニアの報告例は非常にまれである。症例は開腹歴のない62歳男性。突然発症した持続する腹痛を主訴に受診した。腹部造影CT検査で下行結腸の外側背側に,closed loopを形成する造影効果不良の小腸を認めた。内ヘルニアによる絞扼性腸閉塞を疑い腹腔鏡手術を行った。軽度に拡張した小腸を認め,下行結腸と左側腹壁が広範に癒着し,その癒着性膜様物と傍下行結腸窩の隙間に色調不良な小腸が陥入していた。傍下行結腸窩ヘルニアと診断し,ヘルニア門を開放し,小腸部分切除術を行った。傍下行結腸窩ヘルニアは特徴的なCT所見を呈し,腹腔鏡を用いることで低侵襲に診断治療が可能であった。