2019 年 39 巻 4 号 p. 781-785
非閉塞性腸間膜虚血(non-occlusive mesenteric ischemia:以下,NOMI)は,腸間膜動静脈の器質的閉塞のない腸管虚血症である。しばしば腸管に分節状の病変を広範に有し,腸管の大量切除が必要となることが多く,水分・電解質管理に難渋する。今回NOMI再発に対し,再切除および腸管吻合を行い,脱水・電解質喪失を防ぎ得た症例を経験したので報告する。症例は72歳男性で,腹痛と嘔吐を主訴に当院へ救急搬送され,腸管壊死が強く疑われ緊急開腹術を行った。小腸はほぼ全領域にわたり分節状に色調不良を認め,NOMIと診断し小腸切除,空腸瘻造設,および回腸粘液瘻造設を行った。初回手術より26日目に回腸粘液瘻の粘膜壊死を認め,右結腸切除,空腸と横行結腸を吻合した。術後は経静脈栄養を併用のもと経口摂取は可能となり,術後137日目に栄養管理目的に転科となった。