2019 年 39 巻 5 号 p. 855-858
大分県および大分大学医学部附属病院高度救命救急センター(以下,センター)の現状を示し,方向性を考察する。大分県において,二次救急病院の62%,救命救急センターの75%に大分大学消化器・小児外科教室から医師が派遣されている。しかし,教室内に外傷専門医はいない。センターは2012年10月より稼働し,ドクターヘリの運用も開始した。2013〜2016年まで10,853人がセンターを受診し,2,678人(25%)が外因性であり,蘇生的手術は20例であった。一方,消化器外科では2,002例の手術が行われ,救急搬送を伴う緊急手術は103例(5.1%)であった。蘇生的手術件数は少数であり,早期からのOff the Job Trainingとドクターヘリなどを活用した重症外傷症例の集約化により外傷外科医育成が可能であると考えられた。