2019 年 39 巻 5 号 p. 859-862
重症外傷診療において,蘇生と止血は非常に重要である。Japan Advanced Trauma Evaluation and Care(以下,JATEC)の普及により外傷の救命率は向上したと言われているが,胸腹部の手術を要する外傷の救命率は上昇していない。外傷診療はJATECで述べられているような初期診療から,いかに手術や塞栓術といった止血術に引き継ぐかということが重要である。そのためには外科医や放射線科医が早期から外傷診療に加わるということが非常に重要である。その手段の1つとしてTrauma Team Activation (以下,TTA)が活用されている。TTAは,検査や手術までの時間短縮,指揮命令系統の明確化などの利点があり,外傷診療戦略の1つとして有用である可能性がある。