日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
経鼻減圧管留置中に順行性腸重積を繰り返した1例
原 敬介山田 岳史小泉 岐博進士 誠一横山 康行高橋 吾郎堀田 正啓岩井 拓磨青木 悠人上田 康二吉田 寛
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2019 年 39 巻 5 号 p. 887-890

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抄録

経鼻減圧管(long tube:以下,LT)挿入中に2度の順行性腸重積を発症した症例を経験したので報告する。症例は20代男性。潰瘍性大腸炎の治療中に膿瘍形成性虫垂炎を原因とする癒着性腸閉塞を発症した。LTを挿入し症状が改善したため一度抜去したが,再び腸閉塞となった。保存的加療目的にLTを再挿入したが症状が改善せず手術を施行した。空腸に3ヵ所順行性腸重積を認めたため,Hutchinson手技によりこれを解除した。術後イレウス予防目的で継続してLTを留置していたが,再び腸閉塞症状をきたし,画像所見で腸重積と診断した。再開腹を行い,順行性腸重積を起こしていたためこれを解除し術中にLTを抜去した。その後腸重積の再発は起こしていない。LT抜去時の操作や陰圧吸引などで逆行性腸重積が医原性に惹起されることが数多く報告される。自験例は順行性腸重積でまれな病態であるが,LTの合併症として念頭に置かなければならない病態と考えられた。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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