2019 年 39 巻 5 号 p. 949-952
膿瘍形成を伴う大腸憩室穿孔に対してはドレナージを含む治療が有用であるが,経皮的ドレナージが困難な場合は外科的なドレナージを含む治療戦略が求められる。計画的な二期分割腹腔鏡手術により,腸間膜内膿瘍を伴うS状結腸憩室穿通を低侵襲に治療し得たので報告する。症例は36歳,男性。S状結腸憩室穿通による腸間膜内膿瘍の診断で紹介受診された。初回手術では右下腹部にアクセスデバイスを装着し,腹腔鏡下ドレナージと回腸人工肛門造設を施行。3ヵ月後に施行した二期手術ではまず人工肛門閉鎖を行い,同部に再度アクセスデバイスを装着して腹腔鏡下S状結腸切除を施行,7日目に退院された。初回手術の確実な局所コントロールにより一期的吻合を伴う根治手術が腹腔鏡下に安全に施行でき,永久人工肛門を回避し得た。アクセスデバイスの有効活用により同一の小開腹で一連の治療が可能で,経皮的ドレナージが困難な場合に有用な方法と考えられた。