日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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症例報告
卵管が嵌頓した大腿ヘルニアに腹腔鏡下ヘルニア修復術を施行した1例
西尾 康平櫻井 克宣村田 哲洋西居 孝文日月 亜紀子玉森 豊久保 尚士井上 透前田 清
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2019 年 39 巻 5 号 p. 975-978

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抄録

症例は36歳女性。右鼠径部の疼痛と小さなしこりを自覚し,翌日当院を紹介受診した。右大腿部に10mm大の膨隆を認め,用手還納は不可能であった。腹部CT検査で右大腿部に10mm大の腫瘤像を認め,明らかな腸閉塞像は認めなかった。また,経膣エコー検査で正常な両側卵巣が骨盤内にあることも確認した。内容は不明の右大腿ヘルニア嵌頓と診断し,同日緊急手術を施行した。腹腔鏡下で観察すると,右大腿輪に右卵管が嵌頓していた。腹腔鏡操作で右卵管を還納した後,myopectineal orifice(筋恥骨孔)をmeshで修復した。嵌頓していた右卵管の血流障害は認めなかった。術後経過は良好で,術後3日目に退院となった。イレウス症状を伴わない女性の大腿ヘルニアは,その内容が付属器である可能性を念頭に置く必要があり,腹腔鏡手術はヘルニア内容の確認が容易で,診断治療に有用であると考えられた。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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