日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
上部消化管バリウム造影検査後に下部消化管穿孔をきたした8例
庄司 良平青山 克幸實金 悠岡田 剛渡邉 めぐみ繁光 薫
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2019 年 39 巻 5 号 p. 979-982

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抄録

上部消化管バリウム造影検査後の下部消化管穿孔,バリウム腹膜炎はまれであるが,治療に難渋ししばしば重篤な経過をたどることがある。当院では2001年から2017年の期間で,上部消化管バリウム造影検査後の下部消化管穿孔症例を8例経験したので報告する。男性3例,女性5例で平均年齢73.4歳であった。上部消化管バリウム検査後から発症までの期間は平均5.5日であり発症から受診までの時間は平均15.8時間,受診から手術までの時間は平均6.3時間であった。穿孔部位はS状結腸5例,直腸3例であり,全例でHartmann手術を施行した。併存疾患として2例で癌,3例で憩室を認めた。術後は全例ICU入室となり集中治療を要した。在院日数は平均23.8日であり,在院死は1例であった。生存例のうち4例で後に人工肛門閉鎖術を施行した。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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