日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
腸間膜デスモイド腫瘍に伴った膿瘍が破裂し,腹膜炎をきたした1例
石原 伸朗河村 史朗山内 菜津子原田 直樹
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2019 年 39 巻 6 号 p. 1053-1056

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抄録

症例は45歳女性。発熱と上腹部痛を主訴に当院を受診した。腹膜刺激徴候と炎症反応上昇を認め,造影CTから感染を伴った消化管間葉系腫瘍の破裂の疑いで緊急開腹手術を施行した。開腹すると,横行結腸間膜に最大径約10cmの腫瘍を認め,腫瘍表面に直径約1cmの破裂部位を認めた。腹腔内には混濁した膿性腹水を認めた。術中所見から結腸右半切除術,十二指腸水平部局所切除術を伴う腫瘍摘出術と回腸人工肛門造設術,腹腔ドレナージ術を施行し,病理組織学的所見からデスモイド腫瘍と診断した。今回われわれは,腸間膜デスモイド腫瘍に伴った膿瘍が破裂し,腹膜炎をきたした比較的まれな症例を経験した。デスモイド腫瘍は浸潤性に発育し,高い局所再発率を有する特徴があるが,可能な限り完全切除をめざすことが重要であると考えられた。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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