日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
チーム医療による集学的治療で救命し得た重症フルニエ壊疽の1例
入村 雄也岡本 友好矢永 勝彦
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2020 年 40 巻 1 号 p. 49-52

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抄録

症例は糖尿病歴を有し,非切除胃癌に対して全身化学療法中の75歳男性。発熱,会陰部痛を主訴に外来受診した。会陰部は一部組織が自壊しており広範囲に発赤を認めた。血液検査で著明な炎症反応と,腹部骨盤部CT検査で肛門から腹直筋にまで及ぶガス産生を伴う脂肪織濃度上昇と膿瘍形成を認め,フルニエ壊疽による敗血症性ショックと診断した。同日他科医師と連携を取り,緊急デブリードマン手術を施行した。その後,壊死の増悪を認め,第12病日に腹腔鏡下S状結腸人工肛門造設,経皮的膀胱瘻造設,再デブリードマンを行った。第46病日に会陰部皮膚欠損と両側精巣上体炎治療目的に両側除睾術および大腿筋皮弁形成術を施行し,第85病日軽快退院となった。フルニエ壊疽は予後不良な壊死性筋膜炎で,多臓器に障害を及ぼしうる病態である。そのため治療初期から他科と協働した集学的治療を行うことで救命および早期の社会復帰が可能になると考えられた。

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© 2020, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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