日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
回盲部腸管鼠径ヘルニア嵌頓により虫垂炎を合併した1例
國立 晃成坂田 好史嶋田 浩介
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2020 年 40 巻 3 号 p. 487-490

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抄録

症例は87歳男性,既往に右の鼠径ヘルニアがありヘルニアバンドで保存的加療されていた。数日前から食欲不振があり,嘔吐もみられたため近医受診し腸閉塞の診断で当院紹介となった。受診時右鼠径部腫瘤あり,画像検査で鼠径ヘルニア嵌頓による腸閉塞の診断で緊急手術を行った。手術ではヘルニア門に回盲部が嵌頓していたが,明らかな壊死は認めなかった。虫垂は腹腔側に位置していたが,虫垂根部にヘルニア門で絞扼された色調変化を認め,虫垂は腫大していたため急性虫垂炎と診断した。虫垂切除を行い,メッシュによるヘルニア修復術を行った。本症例では,ヘルニア門に虫垂根部が絞扼され内圧上昇のため虫垂炎を併発したと考えられた。ヘルニア囊内に虫垂が逸脱するAmyand’s herniaは散見されるが,本症例のようにヘルニア門で虫垂根部が絞扼され,虫垂炎を起こす症例はまれであるため報告する。

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© 2020, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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