日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
総胆管十二指腸瘻からの動脈性出血に対し,大動脈内バルーン遮断併用下IVRで救命できた1例
成田 正雄石川 成人草永 真志真弓 俊彦
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2020 年 40 巻 3 号 p. 499-502

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抄録

症例は68歳,女性。乳癌の肝門部リンパ節転移に伴う胆管狭窄に対して胆管ステントが留置されており,慢性炎症に伴い,総胆管と十二指腸が瘻孔形成している状態であった。胆管炎に対する入院加療中に突然心肺停止となった。蘇生後,腹部単純CT検査で上部消化管出血が疑われ,上部消化管内視鏡検査を施行したところ,瘻孔部より活動性の出血を認めた。内視鏡的止血術中にショックバイタルとなったため,大動脈内バルーン遮断(resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta:以下,REBOA)を併用し,IVRを行い止血が可能となった。上部消化管出血に対しREBOAを併用下にIVRで救命できた症例を経験したので文献的考察も加えて報告する。

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© 2020, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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