日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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症例報告
術後1年以上を経て発症した腹壁瘢痕ヘルニアの遅発性メッシュ感染の1例
真田 祥太朗福岡 伴樹長谷川 雄基冨永 奈沙水野 亮西 鉄生
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2020 年 40 巻 4 号 p. 531-534

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抄録

症例は85歳男性。4日前からの38度台の発熱で近医より当院に紹介となった。腹部CT検査で,右下腹部腹壁の内部に膿瘍様の腫瘍性病変を認めた。既往は15年前の虫垂炎手術以外に詳細は不明であったが,施設の病歴や創痕からは少なくとも1年以上前の複数回の腹部手術歴が考えられた。保存的加療で全身状態が落ち着いた入院13日目に手術を行うと瘢痕組織内に折りたたまれたメッシュを認め,メッシュ感染による腹壁膿瘍と最終診断した。腹壁瘢痕ヘルニアの遅発性メッシュ感染は,考慮されるべき晩期合併症である。留置部位にかかわらず生じることがあるが,文献検索では腹腔内留置で多く認められ,留置部位は慎重に考慮すべきである。

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© 2020, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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