日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
幽門側胃切除後の重度縫合不全に対して食道経由経腸栄養用チューブによる治療が奏効した1例
中西 亮樋口 格五十嵐 一晴石井 智筒井 敦子若林 剛
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2020 年 40 巻 4 号 p. 541-546

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抄録

症例は72歳男性。胃穿孔による急性汎発性腹膜炎に対し,腹腔鏡下大網充填術,洗浄ドレナージ術を施行された。上部内視鏡検査を施行され,前庭部の潰瘍部分からの生検でadenocarcinomaと診断され,初回手術より約1ヵ月後に幽門側胃切除術,D1郭清,Billoth–Ⅱ再建を行った。術後5日目に発熱を認め,造影CT検査では遺残膿瘍が疑われたため経皮ドレナージを行い経過観察した。透視検査で縫合不全がないことを確認し15日目に経口摂取を開始したところ,ドレーンより食物残渣の漏出を認め,重度縫合不全と診断した。透視下内視鏡を用いての食道経由経腸栄養用チューブ(以下,W–ED tube)による減圧および経腸栄養を開始した。内視鏡検査で離開部の肉芽形成,粘膜再生を認めたため経口摂取を開始し94日目に退院した。重度縫合不全に対してW–ED tubeによる減圧および経腸栄養が奏効した症例を経験したため報告する。

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© 2020, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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