2020 年 40 巻 7 号 p. 823-825
症例は82歳女性,嘔吐を主訴に当院を受診した。腹部CTで右閉鎖孔ヘルニア嵌頓と腸閉塞像を認めたが,発症早期であり,血液検査でも腸管虚血を示唆する所見を認めなかったためエコーガイド下に用手整復した。整復8日後,待機的に腹腔鏡下修復術を行った。腹腔内を観察すると右閉鎖孔ヘルニアに加えて右大腿ヘルニアも合併しており,腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(transabdominal preperitoneal repair:TAPP)に準じて剝離を行い,3D MAXTM Light Mesh(BARD社)を表裏反転して留置する逆M法で修復した。閉鎖孔ヘルニアに対する確立された術式はないが,逆M法はメッシュの弯曲と形状付加リングによりずれることなく解剖学的に自然な形で留置することができるため,非常に有用であると思われた。