2021 年 41 巻 1 号 p. 111-114
症例は76歳,男性。26年前に直腸癌に対し腹会陰式直腸切断術後である。突然の心窩部痛,嘔吐を主訴に当院を受診した。左下腹部には人工肛門を認め,その外側に膨隆を認めた。腹部骨盤CTで傍ストーマヘルニア嵌頓,腸閉塞と診断し入院とした。嵌頓は用手的に整復可能であり,腸管拡張や浮腫が改善した後に,腹腔鏡下手術を施行した。腹腔内は高度癒着を認め,腹腔鏡下に癒着を剝離し,ヘルニア門を確認した。ヘルニア門は5cmの円形であり,メッシュを使用しSugarbaker法で修復した。経過は良好であり,術後第7病日に軽快退院した。その後,4年間再発は認めていない。傍ストーマヘルニアに対する腹腔鏡下修復術は,ストーマから離れたポート留置により感染のリスクを軽減しながら,適確な診断,嵌頓臓器の評価やヘルニア門の修復が同時に可能であり,有用であると考えられた。