日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
Meckel憩室が嵌頓した大腿ヘルニアの1例
大惠 匡俊
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2021 年 41 巻 1 号 p. 75-78

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抄録

症例は70歳,女性。2日前より右大腿鼠径部の有痛性腫瘤を認め受診となる。右大腿鼠径部に径4cm大の有痛性腫瘤を触知した。腹部CT検査では腸閉塞所見は認めなかったが,右大腿静脈の内側から伏在裂孔に突出した腫瘤が指摘され,小腸の大腿ヘルニア嵌頓を疑い緊急手術を施行した。ヘルニア内容は長さ4cmの小腸憩室で,大腿管で絞扼され憩室は暗赤色に変色していた。憩室のみを切除しMcVay法に準じて修復した。小腸憩室は腸間膜対側で腸間膜を有し,病理検査から回腸の真性憩室と確定されMeckel憩室と診断した。一般的にヘルニアの部位を問わずヘルニア内容がMeckel憩室であるものはLittréヘルニアと定義される。今回われわれは,Meckel憩室が嵌頓した大腿ヘルニアのまれな1例を経験した。本邦報告例は自験例を含め21例とまれな症例であるので文献的考察を加えて報告する。

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© 2021, Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
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