2021 年 41 巻 3 号 p. 163-166
症例は46歳,男性。左側腹部痛を主訴に当院を受診した。腹部単純CTで虚血性腸炎と診断され入院となった。第4病日に左側腹部痛の増強を認め,腹部単純CTでlow density lesionおよび腹腔内遊離ガスを認め,下部消化管穿孔の診断で緊急手術を施行した。術中所見はS状結腸から直腸S状部に炎症を強く認めたが,明らかな穿孔部は確認できなかった。術中内視鏡を施行し肛門縁から35cmの部位に粘膜の陥凹を認め,同部が病変と考えられた。S状結腸切除および人工肛門造設術を施行した。病理所見では,病変部および正常部分でも固有筋層の部分的な欠損を認め,segmental absence of intestinal musculature(SAIM)と診断された。6ヵ月後に人工肛門閉鎖術を施行,初回手術後2年経過するが順調である。