日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
閉塞性上行結腸癌に対し盲腸瘻造設後,腹腔鏡下に腫瘍切除し得た2例
石毛 孔明, 山本 海介, 里見 大介, 福冨 聡, 小倉 皓一郎, 森嶋 友一
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 41 巻 3 号 p. 167-170

詳細
抄録

上行結腸癌による閉塞性腸閉塞に対し盲腸瘻造設により減圧し腹腔鏡下に腫瘍切除術を施行し得た症例を経験した。【症例1】80歳台,女性。上腹部膨満感と頻回の嘔吐で受診した。精査の結果,上行結腸癌による閉塞性腸閉塞の診断となった。電解質異常をきたすほど嘔吐回数が多く,経鼻イレウス管による減圧は困難と判断した。腰椎麻酔下に緊急盲腸瘻造設術を施行し,55病日に腹腔鏡下右半結腸切除術を施行した。【症例2】70歳台,女性。認知症で定期外来通院中に,食思不振の精査から上行結腸癌による閉塞性腸閉塞の診断となった。経鼻イレウス管で減圧を試みるも自己抜去を繰り返すため盲腸瘻造設術を施行し,40病日に腹腔鏡下右半結腸切除術を施行した。盲腸瘻を造設したことで減圧に加えて腹腔鏡下手術における視野展開の補助になり,創部負担も軽減できた。患者背景によっては盲腸瘻造設術も減圧法の選択肢の1つとして有効な術式であると考えられた。

著者関連情報
© 2021, Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top