2021 年 41 巻 3 号 p. 179-182
当院では2009年1月から2019年12月の間に,S状結腸軸捻転の再発予防を目的としたS状結腸過長症に対する手術を14例に施行したが,うち2例には腸切除は行わず腹腔鏡下癒着剝離術を施行し,長期間捻転の再発を認めず経過観察が可能であった。これらの症例では,S状結腸軸捻転発症の背景として,S状結腸口側と骨盤左側の後腹膜との強固の癒着に注目し,これによる捻れ癖がS状結腸捻転の要因と判断して,S状結腸外側の癒着剝離のみを施行した。本術式では腸管の切除,吻合を行わないため,縫合不全などの手術手技関連合併症をきたす可能性が低く,高齢者や併存症のため耐術能に不安のあるような症例にも応用可能な術式であると考えられた。