日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
肝右葉切除後にヘルニアパッチを用いて修復した横隔膜ヘルニア嵌頓の1例
須田 光太郎, 青木 琢, 清水 崇行, 白木 孝之, 櫻岡 佑樹, 松本 尊嗣, 森 昭三, 礒 幸博, 石塚 満, 窪田 敬一
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 41 巻 3 号 p. 183-186

詳細
抄録

症例は67歳,男性。呼吸困難を主訴に当科紹介となった。8年前に肝細胞癌に対して,肝右葉切除術および横隔膜合併切除術を施行し,術後3年目より右横隔膜ヘルニアを認めていた。胸部単純写真,CTで回腸と右側結腸が右胸腔内に脱出しており,右肺が虚脱していた。バイタルサインは安定しており,腸管虚血を疑う所見を認めなかったため保存的加療を行ったが,翌日症状の増悪を認めたため,緊急手術を施行した。右胸腔内へ脱出した腸管を腹腔内に還納すると,胸壁に圧排された盲腸壁に虚血性変化を認めたため,回盲部切除術を施行した。ヘルニア門は,ヘルニアパッチを用いた縫合閉鎖術で修復した。術後22日目に合併症なく退院となった。術後8年を経て嵌頓した症例はいまだ報告がなく,広範な横隔膜欠損に対し,ヘルニアパッチを用いた1例を経験したので報告する。

著者関連情報
© 2021, Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top